働き方改革3 残業時間の上限規制

おはようございます
水戸市で開業する中小企業診断士社会保険労務士はたけやま事務所 畠山佳樹です。

台風といい、明け方の地震(震度4)といい、災害が多いですね…
とくに、台風は例年になく多いと感じます。
「自宅周辺は安心のはず」と油断せず、防災意識を高めておきましょう。

さて、「残業時間の上限規制」について見ていきましょう。

現在は(平成30年3月までは)

(現在)法律上は、残業時間の上限はありません

そうはいっても、残業をさせる場合には、いわゆる36協定の届出が必要です。
そうしないと、労働基準法32条(1週の労働時間は40時間、1日の労働時間は8時間が限度と規定)に違反してしまうことになります。

ただ、中小企業の56.6%は届出をしていません(出典:平成25年度労働時間等総合実態調査)。速やかな改善が求められます。

 

(改正後)法律で残業時間の上限を決め、これを超える残業はできなくなります

◎残業時間の上限は、原則として月45時間・年360時間とし、臨時的な特別の事情がなければこれを超えることは出来ません。(月45時間は、1日あたり2時間程度の残業に相当します)

◎臨時的な特別の事情があって労使が合意する場合でも、
・年720時間以内
・複数月平均80時間以内(休日労働を含む)
・月100時間未満(休日労働を含む)
を超えることは出来ません。
(月80時間は、1日あたり4時間程度の残業に相当します。)
また、原則である月45時間を超えることができるのは、年間6か月までです。

上限規制の適用が猶予・除外される事業・業務

次の事業・業務は上限規制が除外されます。

(1)自動車運転の業務
⇨改正法施行5年後に、上限規制が適用されます。
(ただし、適用後の上限時間は、年960時間とし、将来的な一般則の適用については引き続き検討されます)

(2)建設事業
改正法施行5年後に、上限規制が適用されます。
(ただし、災害時における復旧・復興の事業については、複数月平均80時間以内・1か月100時間未満の要件は適用されません。この点についても、将来的な一般則の適用について引き続き検討されます。)

(3)医師
⇨改正法施行5年後に、上限規制が適用されます。
(ただし、具体的な上限時間等については、医療界の参加による検討の場において、規制の具体的あり方、労働時間の短縮策等について検討し、結論を得ることとされています。)

(4)鹿児島県及び沖縄県における砂糖製造業
⇨改正法施行5年後に、上限規制が適用されます。

(5)新技術・新商品等の研究開発業務
⇨医師の面接指導(※)、代替休暇の付与等の健康確保措置を設けた上で、時間外労働の上限規制は適用されません。
※時間外労働が一定時間を超える場合には、事業主は、その者に必ず医師による面接指導を受けさせなければならないこととされます。

中小企業の事情に配慮

今後、新たな指針が出され、それに基づいて国からの必要な助言・指導が行われることとなります。その際、当分の間、中小事業主に対しこの助言・指導を行うに当たっては、中小企業における労働時間の動向、人材確保の状況、取引の実態等を踏まえて行うよう配慮することとされています。

取引環境の改善も重要

長時間労働の是正には取引環境の改善も重要です。
労働時間等設定改善法では、事業主の責務として、短納期発注や発注の内容の頻繁な変更を行わないよう配慮するよう努めることと規定されています。

まとめ

長時間労働の是正、口で言うのは簡単ですが、自社を取り巻く全ての要因の集積として長時間労働が発生しているとも言えます。

これの改善のためには、業務の棚卸しや、意識改革、取引先との調整など、様々な対策が必要になります。今回の働き方改革を前向きに捉えて、自社を変える良いきっかけにしていきましょう。

参考資料:厚生労働省「働き方改革~1億総活躍社会の実現に向けて~」