最低賃金が上昇する見込みです

おはようございます
水戸市で開業する中小企業診断士社会保険労務士はたけやま事務所 畠山佳樹です。

また、最低賃金が上がるようですね。

厚生労働省の中央最低賃金審議会の小委員会は、2018年度の最低賃金(時給)について、今年度の引上げ額の目安を全国平均で26円とすることを決めた。上昇率は3年連続で3%となり、実現すれば全国平均が874円になる。

今年度の目安が示した引上げ額の全国加重平均は26円(昨年度は25円) となり、目安額どおりに最低賃金が決定されれば、最低賃金が時給で決まるようになった 平成14年度以降で最高額となる引上げとなります。

このあと、各都道府県の最低賃金審議会で審議されて決定していきますが、引き上げは間違いないでしょう。

改めて過去10年間を見ても、毎年引き上げられています。人件費は経営上はコストと認識されますので、コスト増は経営に直結します。

仮に、最低賃金ギリギリの時給で雇用している事業所であれば、今後の最低賃金改定により賃金を引き上げなければなりません。その際、目安通り、一時間あたり25円アップしたとして、パートさんが10人 週25時間勤務だと仮定します。

そうすると、月換算100時間✕10人✕引き上げ金額25円=25,000円(1月あたり)
年間にすると、25,000円✕12月=300,000円(年間)

この条件ですと、最低賃金引き上げにより、この事業所は年間30万円ものコスト増になります。
これは大変なことです。

また、現在最低賃金以上の時給を支払っている事業所様でも、最低賃金の上昇により地域の賃金相場が上昇しますので、ある程度の賃上げをしないと、求人しても人が集まらなかったりするなどの影響があるので、全く無視するというわけにも行かないかもしれません。

パート・アルバイトの方を多く雇用する飲食業などの業態では、影響が大きいでしょう。
飲食店の代表的な経費は、原材料費と店舗家賃、そして人件費です。

一般的には人件費を30%以内に収めるのが理想的とされています。そのためには、オペレーションを簡略化する、限られたスタッフでも店内を把握しやすいレイアウトにする、スタッフ教育に力を入れるなどして少ない人員で運営できる工夫をこらしましょう。

ただ、そうはいっても、一朝一夕にできれば誰も苦労はしませんよね。

そこで、時給のパート・アルバイトを雇用されている方は、助成金の活用などを検討されてはいかがでしょうか?

一例として、50歳以上の有期契約のパート・アルバイトがいる場合の助成金です。

65歳超雇用推進助成金(高年齢者無期雇用転換コース)
【概要】
50歳以上かつ定年年齢未満の有期契約労働者を無期雇用労働者に転換させた事業主に対して国の予算の範囲内で助成金を支給します。

【支給額】
対象労働者1人あたり48万円(中小企業事業主以外は38万円)を支給します。
生産性要件を満たす場合には対象労働者1人につき60万円(中小企業事業主以外は48万円)となります。1支給申請年度1適用事業所あたり10人までを上限とします。

詳細は、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構の該当ホームページをご確認ください。

一人あたり48万円ということは、営業利益率が10%としたときには、売上480万円相当になります。売上480万円にするためには、生ビール480円を10,000杯販売しなければなりません。

その価値がおわかりいただけたでしょうか?

助成金を活用するには、就業規則や法定三帳簿(労働者名簿、賃金台帳、出勤簿)など、社内の規定整備などが必須ですし、残業代もきっちり支払わなければなりません。ただ、一度しっかり体制整備を行えば、他の助成金も申請しやすくなります。しっかりした体制の会社には、人も集まります。

一度、検討されてみてはいかがでしょうか?

ご参考になれば幸いです。

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